行政書士水谷事務所
「ハンドブック消費者」
- 2010-09-09 (木)
- 未分類
食品や化粧品の表示についていろんな法律のしがらみがあることを書いてきましたが、消費者庁から今月末に「ハンドブック消費者2010」が発行されるということです。消費者をめぐるテーマといってもわれわれの生活は消費活動によって成り立っているので、ほとんど生活全般といってもいいくらいの広がりがあります。ざっとこの冊子の目次を見てみると、食品については表示の問題だけでなくそれよりも肝腎な安全性の問題がありますし、これは化粧品や医薬品でも同じです。このハンドブックは、消費者問題を国の施策や行政の対応の面から整理したものですから、そうした個別の製品に関わるものだけでなく、取引や契約に関わるものとして特定商取引法や金融商品をめぐる規制などが取り上げられています。つまりわれわれの消費活動と消費者取引に関して、今どのようなルールがありどのような解決のしくみがあるかを一望するガイドマップといった感じで、従ってページ数もそこそこあるようです。そこには消費生活を取り巻くあらゆる制度が紹介されていて、その全貌を知るには都合がよさそうですが、個別の制度についてさらに詳しい知識を求めるためにはそれぞれの専門的な情報にアクセスしなければならず、それらが複雑に絡み合っているわけでから、消費者行政と一口でいってもなかなか一筋縄では行かないという印象を受けます。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks: 0
化粧品の効能について
- 2010-09-08 (水)
- 薬事
健康食品というより食品全般にいろんな事件があったせいで、表示の内容や方法に関して細かい規制が追加されるなどして複雑になっています。たまたま総務省から9月3日付で、「食品表示に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」が発表されていますが、ここに報告された不正事件を見ると、食品衛生法、JAS法、不正競争防止法、景品表示法など複数の法律が並んで複雑さが窺えます。また最近では、食品への表示義務のあるアレルギー物質について、新たにエビ、カニが追加されています。
アレルギー表示のように具体的に、表示の対象や内容・方法が示されている場合は、議論の余地はありませんが、健康食品の例のように過度な効能効果の標榜あるいは誇大広告など概念的な文言による規制の場合は、その解釈が難しい一面もあります。そういう質問なり相談を受けることもありますが、こっちとしても明確な判断基準が示されていないと、歯切れの悪い答えにならざるを得ず不都合を覚えることもあります。
薬事法の場合も、「虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」とあって、「虚偽」は事実に反することと理解できるにしても、「誇大」はどの程度かなどと頭を捻りたくなります。薬事法の場合は、誇大広告などの表現上の問題に加え、医薬品、医薬部外品、化粧品の分別をどうつけるかという問題もありますが、たとえば化粧品については、「化粧品の効能の範囲」によって、化粧品に認められる効能の範囲が明確にされていますので、そういうものを判断の目安にすることはできます。「化粧品の効能の範囲」には次に掲げるものを含む55項目が例示されています。
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
- フケ、カユミを抑える。
- 肌を整える。
- 日やけを防ぐ。
- 爪をすこやかに保つ。
- 口唇の荒れを防ぐ。
- 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
- 芳香を与える。
ただこれらにしても、言葉の綾というのはややこしいものなので、人によっては、どうとでも取れる、という解釈もありそうですが、化粧品の場合は、これに加えて成分に関する化粧品基準がありますから、そういうものによって、判断して行くことになります。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks: 0
健康食品と食品衛生法ほか
- 2010-09-06 (月)
- 飲食
今年は暑さにまいって、元気回復にドリンク剤を飲んだりしていたのですが、これも医薬品、医薬部外品があり、似たようなもので単なる清涼飲料水として売られているのもあります。
健康食品については、薬事法のほかに、食品衛生法、健康増進法、景品表示法なども関連してきます。健康食品は製品としては、何よりも食品衛生法の対象ですから、まず第一に目を向けるのはこっちでしょう。食品衛生法上の検討事項としては次のようなものがあります。
- 営業許可との関連
- 製品の内容についての問題(添加物等の規制)
- 法定表示
- 広告等の規制
景品表示法は、景品類と表示について不当な方法による顧客の誘引等を規制するものです。この法律に基づいて業界団体が自主規制として取り組む公正競争規約がありますが、健康食品という総括的な名目での規約はありません。食品類は個別に定められていて、たとえばローヤルゼリーの表示に関する公正競争規約には、医薬品的な効果や過度に栄養効果を標榜するような表示を規制する規定があります。健康増進法も、健康増進の効果について事実と異なる表示や誤認させる表示を禁止しています。
健康食品の範囲なり条件を明らかにしようとすれば、どうしてもこういういろんな規制を視野に入れざるを得ないので、やや堅苦しい話になるようです。インターネットが拡大しグローバル化が進んだ結果、物の流通が盛んになり、ネットを中心に新しい事業が生まれる一方で、消費者トラブルも多く、結果的に法律の規制が厳しくなっている部分も見受けます。畑違いの分野から新規展開する場合、認識の不足から不適切な行為に到ることもあり得ますから、こうした方面のコンプライアンス(法令遵守)についても事業運営の重要な一面として念頭に置くべきでしょう。

なお、法律で認められたこの種の食品としてトクホのほかに食品衛生法で定める栄養機能食品があります。「食生活において特定の栄養成分の補給を目的として摂取をする者に対し、当該栄養成分を含むものとして厚生労働大臣が定める基準に従い当該栄養成分の機能の表示をするもの」(食品衛生法施行規則第21条)で、サプリメント類などによく見受けます。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks: 0
健康食品と薬事法
- 2010-09-03 (金)
- 飲食
前回の記事にありますように、健康食品については国がお墨付きを与えるトクホなどを除いて特別な規定はありません。ですから健康食品あるいはそれに似た品名を冠して市場にいろんな食品が出ていますが、まったく規制がないわけではなくて、薬事法や食品衛生法の絡みで制限を受ける部分はあります。では一体どういう基準で健康食品というものを把握したらいいのかというのが消費者と事業者に関わらず分かりにくくなっているように思います。複数の法律が関わるので具体的な線引きは難しいというしかなさそうです。
とりあえず検討すべき第一に挙げなくてはならないのは薬事法でしょう。この関連では、厚生労働省から未承認医薬品について考え方をまとめた通達が出ていて、ここに紛らわしい健康食品と医薬品を峻別する基準が示されています。基準は4つの観点から医薬品と判断される場合について規定しています。
- 成分本質(原材料)から見た分類
含まれる成分から医薬品と判断する場合を、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」及び「医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」によって示しています。 - 医薬品的な効能効果
包装・容器や広告物で医薬品的な効能効果を標榜または暗示する場合。 - 医薬品的な形状
錠剤、丸剤、カプセル、アンプルなど(近年似たような形状の食品も出ていることから、形状のみによっては判断しないとも)。 - 医薬品的な用法用量
「一日○回、食後○粒」といった表現。
この辺りの詳細については次のサイトが参考になるでしょう。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks: 0
健康食品の現状と今後
- 2010-08-30 (月)
- 飲食
JADMAから2009年度の通信販売売上高の推計が出ているのを見ると、前年比4.1%増だとのことで、いい意味で意外でした。商品別に見ると、健康食品がかなりの割合を占めているのに目を惹かれます。
消費者庁から、〈「健康食品の表示に関する検討会」論点整理〉が出ています。昨年から検討を重ねてきた結果をまとめたものです。
「健康食品」については正確な定義はありません。国語辞書を引けば一般的な意味は載っているかもしれませんが、法律上は存在しません。お墨付きといえるものとしては、国の審査に通ってトクホマークをつける特定保健用食品があります。その他にも、法律で認められた栄養機能食品などがありますが、「健康食品」はありません。消費者にも紛らわしいのでこれをきちんとした方がいい、というのが検討会の一つのテーマだったようです。
「健康食品」は法律に関係ない普通名詞なので、これ自体は規制を受けません。だからといって、おかまいなしかというとそうではなくて、商品の成分や表示に関しては、薬事法、健康増進法、食品衛生法その他の法律による制限があるので、それによって抑制されているというのが現状でしょう。論点整理をふまえて今後対応すべき事項がまとめられています。一つは、トクホの表示許可制度の今後に向けた見直し、もう一つが健康食品の表示・広告規制に関するものです。検討会が発足したとき、健康食品についての新たな許認可制度に関わる内容になるのかと勝手に憶測していましたが、それほどのものではないようです。ただ、表示や広告についての規制が現在いろんな法律のからみで統一性を欠いているのを改善してより具体的なものを示すことなどに加え、一定の機能性表示を認めるしくみの研究というテーマが掲げられています。これには欧米で採用されている手法などが参考とされているようです。
〈医食同源〉というのは、配慮の行き届いた食事をするのが健康の秘訣だ、とでもいうような意味合いでしょう。広い意味で捉えると、「健康食品」を分別するのがそもそも難しいところがあります。要は、偽りや誇張した表示・広告が問題なので、論点整理には監視の強化も一つのテーマとして取り上げられています。
- Comments (Close): 0
- Trackbacks: 0