化粧品には薬事法によって事業者名・住所、配合された成分など決められた事項を表示しなければならないのですが、もう一つ公正競争規約というのがあります。これは景品表示法で定めるもので、その第12条に次のように規定されています。

(公正競争規約)
第12条 事業者又は事業者団体は、公正取引委員会規則で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。

景品表示法は、不当な景品や表示によって顧客を誘引しようとする行為を防止するための法律で、上の規定に従って各分野の事業者団体によって公正競争規約が定められています。この規約は、景品に関するものと表示に関するものに分けられているのですが、表示に関する公正競争規約で薬事法と関連するものとしては現在、化粧品、化粧石けん、合成洗剤・家庭用石鹸、歯みがき類、防虫剤の5規約があります。たとえば化粧品の表示に関する公正競争規約では、次の10項目が指定されています。

  化粧品の表示に関する公正競争規約 対応する薬事法施行規則の項目
 1 種類別名称
 2 販売名 名称
 3 製造販売業者の氏名又は名称及び住所 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
 4 内容量
 5 製造番号又は製造記号 製造番号又は製造記号
 6 厚生労働大臣の指定する化粧品については、その使用の期限 厚生労働大臣の指定する化粧品については、その使用の期限
 7 厚生労働大臣の指定する成分 厚生労働大臣の指定する成分
 8 原産国名(原産地が一般に国名より地名で知られ、地名による表示が適切である場合は、原産地名。)ただし、一般消費者によって明らかに国産品であると認識されるものを除く。
 9 施行規則で定める化粧品については、その使用上又は保管上の注意
10 問い合わせ先
11 薬事法第42条第2項の規定により基準が定められた化粧品にあっては、その基準において直接の容器又は直接の被包に記載するよう定められた事項
12 外国特例承認取得者等の氏名

上の表の右側に薬事法に定める表示事項を掲げていますが、このようにいくつか異同があります。

1の種類別名称は、「公正競争規約施行規則」の別表1に基準となる名称が掲げられています。

2の販売名は、薬事法の製造販売届等に記載した名称です。

6と7は薬事法の表示事項と同じです。7は全成分表示を意味します。

9は、「公正競争規約施行規則」の別表2により、シャンプー、エアゾール化粧品などが指定されています。なお、表示面積が狭いときのこれらの表示の一部の省略等についても規定されています。

公正競争規約は事業者団体が自主的に定めるもので、基本的にはその規約に参加する事業者に適用されるものですが、その業種の取引に関わる一般的なガイドラインとして留意すべきでしょう。

この例にかぎらず、複数の法律が関わるために煩雑に見える例はたとえば食品関連なんかでも指摘されます。また、ネット取引の拡大、グローバル化など種々の要因からこうした規制が厳しくなっている印象もあります。事業者サイドからすればある意味負担かもしれませんが、一方でコンプライアンス(法令遵守)の考え方が大きく捉えられるようになっているのも否めません。ともあれ、転ばぬ先の杖、ということもありますから、あらかじめその内容をよく把握し必要な対応を講じておくことが何よりです。


(社)全国公正取引協議会連合会

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