医療機器の分類と営業許可
医療機器を製造販売(元売)するには製造販売業、製造するには製造業の許可が必要です。また、医療機器を販売・賃貸業、修理業を営むにも許可等が必要です。これらの医療機器を扱う営業については、医療機器の分類(下記参照)によって規制内容が異なりますので注意が必要です。
医療機器の分類
薬事法では、医療機器を使用時のリスクの度合に応じて、次のように区分しています。
- 高度管理医療機器…副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なもの
- 管理医療機器…副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なもの
- 一般医療機器…副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの
また、国際基準に基づいた次の四段階のクラス分けが行われています。これらは次のような構図になります。
- クラスⅠ…一般医療機器。ギプス包帯、メス、鉗子など。
- クラスⅡ…管理医療機器。家庭用電位治療器、脳波計、汎用心電計など
- クラスⅢ…高度管理医療機器。食道用ステント、汎用人工呼吸器、人工角膜など。
- クラスⅣ…高度管理医療機器。冠動脈カニューレ、吸収性縫合糸、植込み型心臓ペースメーカなど。
各医療機器のクラス分けについては、厚生労働省のクラス分類告示によって具体的に示されています。
なお、これらのクラス分類とは関わりなく、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものが、「特定保守管理医療機器」としてべつに指定されています。
医療機器製造販売業
医療機器製造販売業は、医療機器を市場に出荷(元売)する営業です。医療機器製造販売業を営むには厚生労働大臣(都道府県知事に委任)の許可が必要です。許可の有効期限は5年間です。医療機器製造販売業者は、医療機器の製造を自社で行うことも他の許可業者に委託することもできます。ただし、自社で行うときは製造販売業の他に製造業の許可も必要です。製造販売業者は、製品を市場に出荷する最終的な責任を負いますので、製品の品質管理、安全管理について十分な対応を行うことが求められています。
医療機器製造販売業は扱う医療機器の種類によって次のように区分されています。
- 第一種医療機器製造販売業…高度管理医療機器
- 第二種医療機器製造販売業…管理医療機器
- 第三種医療機器製造販売業…一般医療機器
許可の基準
医療機器製造販売業の許可を受けるには、次の要件を満たす必要があります。
- 品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合すること
- 製造販売後安全管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合すること
- 申請者として不適格とされる事項に該当しないこと
- 総括製造販売責任者を置くこと
それぞれの基準については、製造販売業のページを参照してください。
製造販売の承認、認証
医療機器製造販売業者は、医療機器を市場に出荷するのに先立って、品目ごとに国の承認等を受ける必要があります。医療機器の製造販売については、そのクラス分類等によって次のような手続きになります。
- 国の承認…クラスⅢ、クラスⅣのすべて。クラスⅡの医療機器のうち別に定めるもの(次の指定管理医療機器以外)。
- 認証機関による認証…クラスⅡの医療機器のうち別に定めるもの(指定管理医療機器として個別に指定されています)。
- 製造販売届…クラスⅠの医療機器。
医療機器の表示
医療機器は、その直接の容器若しくは直接の被包に、次に掲げる事項が記載されていなければなりません。
- 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
- 名称
- 製造番号又は製造記号
- 厚生労働大臣の指定する医療機器にあつては、重量、容量又は個数等の内容量
- 第41条第3項の規定によりその基準が定められた医療機器にあつては、その基準においてその医療機器又はその直接の容器若しくは直接の被包に記載するように定められた事項
- 第42条第2項の規定によりその基準が定められた医療機器にあつては、その基準においてその医療機器又はその直接の容器若しくは直接の被包に記載するように定められた事項
- 厚生労働大臣の指定する医療機器にあつては、その使用の期限
- 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
また、医療機器は、添付文書又はその容器、被包に、次に掲げる事項が記載されていなければなりません。
- 使用方法その他使用及び取扱い上の必要な注意
- 厚生労働大臣の指定する医療機器にあつては、その保守点検に関する事項
- 法第41条第3項の規定によりその基準が定められた医療機器にあつては、その基準においてこれに添付する文書又はその容器若しくは被包に記載するように定められた事項
- 法第42条第2項の規定によりその基準が定められた医療機器にあつては、その基準においてこれに添付する文書又はその容器若しくは被包に記載するように定められた事項
- 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
医療機器製造業
医療機器の製造業をして営むには厚生労働大臣(都道府県知事に委任)の許可が必要です。許可の有効期限は5年間で、5年ごとの更新が必要です。製造販売業者が自ら製造も行う場合は、別途製造業の許可が必要です。
許可の区分
医療機器製造業の許可は次のように区分されています。
- 法第43条第2項の規定により厚生労働大臣が指定する医療機器及び令第80条第2項第3号の規定によりその製造管理又は品質管理に特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医療機器の製造工程の全部又は一部を行うもの。(「大臣権限」)
- 滅菌医療機器の製造工程の全部又は一部を行うもの。(「滅菌」区分)
- 前二号に掲げる医療機器以外の医療機器の製造工程の全部又は一部を行うもの。(「一般」区分)
- 前二号に掲げる医療機器の製造工程のうち包装、表示又は保管のみを行うもの。(「包装・表示・保管」区分)
許可の要件
医療機器製造販売業の許可を受けるには、次の要件を満たす必要があります。
- 製造所の構造設備が定められた基準に適合すること
- 申請者として不適格とされる事項に該当しないこと
- 責任技術者を配置すること
それぞれの基準については、製造業のページを参照してください。
医療機器販売・賃貸業
医療機器の販売・賃貸業は、扱う医療機器の種類によって、手続きが異なります。一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く)のみを扱う場合は、許可・届出は要しません(薬事法によるいくつかの遵守事項はあります)。
販売業・賃貸業の許可
高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器を販売又は賃貸するには、営業所ごとに都道府県知事の許可が必要です。許可の有効期間は6年です。許可を受けるには、営業所ごとに管理者を配置するほか、次の要件を満たす必要があります。
- 営業所の構造設備が国の定める基準を満たしていること。
- 申請者が不適格事項に該当しないこと。
販売業・賃貸業の届出
管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)を販売又は賃貸するには、営業所ごとに都道府県知事への届出が必要です。
医療機器修理業
医療機器の修理業を営むには、修理を行う事業所ごとに都道府県知事の許可が必要です。許可の有効期間は5年で、5年毎の更新が必要です。医療機器修理業については、修理をする物、修理の方法等により修理区分が設けられています。許可はこの修理区分ごとに与えられますので、区分の変更や追加がある場合にも別途許可等の手続きが必要になります。医療機器修理業の許可を得るためには次の要件を満たす必要があります
- 営業所の構造設備が国の定める基準を満たしていること。
- 申請者が不適格事項に該当しないこと。
- 責任技術者を配置すること。